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2010/06/10

電話

知り合いの会社に勤務するM女からお産のためしばらく実家に帰ると電話をもらった。旦那さんと頻繁に連絡をとれよとつい口に出た。四十年ほど前、妻がお産で三カ月ほど実家に帰っていたときのことを思い出す。
別居してから何年か経って妻は離婚届に判を押した。彼女は死ぬまで心のシミを見続け、どこかでぼくに腹を立てているのだろうと思う。そして三人の息子たちは両親が死ぬまでいろいろといらぬ気をつかわねばならぬし、言いたくても言えない事をジッと胸にしまって生きてゆくのだろう。ただ三者三様にお互いの本当の気持は最後まで分らぬままに。最初の子どもが出来たときは、この今の状況など夢想だにしなかった。離婚したことを後悔したことは一度もないが、人生は最初から決まっていたかのように想はぬ方向に流れてゆくものだという実感はある。何が幸わせで、何が不幸か、何が正しくて、何がよくないことか、この答は何事もかなりの年月を経ないと分らないということも。僅か二・三分、電話での会話の最中、そんな気持が渦巻いていた。

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