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2010/09/22

消しゴム

父親が八十七才で亡くなる半年位前だったか、夕食後の雑談で「これまで生きてきた中で、もし消せるものなら消してしまいたいと思う出来事、場面が一ツだけある。」とポツンと口にした。「それ、どんなこと・・・?」と聞いたが「イヤ、まあ・・・」と言って何も答えてはくれなかった。いま自分が振り返ってみて、一ツどころの騒ぎではない。どう少なく数えても片手では足りないぐらいある。何でも消せる消しゴムがあれば手に入れたいし、人生のシュレッダーのようなものがあれば細かく切り裂いて捨ててしまいたいと思う。ところがそういう場面、出来事に限って、画像鮮明で保存状態もよく、心の奥底にいつまでも居座っていて見たくもないのにときどき無理矢理見せられることがある。
先日新宿の酒場でひとりのんでいて、五十代の男性三人組と話がはずみその事を聞いてみた。答えは三人とも「イヤー、別にこれといって無いですね。」一ツ位はあるだろうと思ったのだが・・・。五十年来の友人に聞いたら「オレは人生そのものを全て消したいね、真っ白な紙に描きなおしたい」と言う。「ハハハハ・・・、紙が何枚あっても足りないね」、最後は笑い話になった。これからいろんな人に聞いてみようと思う。

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