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2011/02/16

別れた女房の母親は貧しくて学校に行けず漢字は書けない人だった。結婚して間もなく、宛名は恐らく姪っ子か誰かが書き、中に大阪弁で「たっしゃにくらしや、かぜひきなや」と太い鉛筆でたった二行、平仮名だけで書いた手紙が届いた。その何とも言えぬ文字の姿は、いまでも自分が筆で文字を書く時の一番の書の手本だと思っている。良寛さんは「ハイ、コンチハ。何卒雑炊の味噌一かさ被下度候(くだされたくそうろう)。ハイ、サヨナラ」こんなメモと草庵に立ち寄る子供にもたせ近所から味噌を借りたという。その文字は良寛の文字の中でも「すばらしい」ものの一ツだと聞いたが、我が家の良寛の書の本の中には出ていないのでまだ見たことがない。良寛さんが嫌いなものの一ツに「書家の書」をあげているがなんだか分かる気がする。

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